食品添加物とは何か?
食品の裏側に細かく表示されている名前を見ても、聞いたことのないものばかりでよくわからない。ネットで調べても難しい言葉ばかりでよくわからない。
そもそも食品添加物は危険なのでしょうか。
「食品添加物」は食品製造の際に使われる物質。日本では調味料、保存料、着色料などに使用されています。そして食品添加物には、厚生労働大臣が認めたものだけ使用できるというきちんとしたルールがあります。
また「食品添加物」の安全性や効果は、科学的に立証されています。
参照:国立医薬品食品衛生研究所
食品添加物部長 棚元憲一
「食品添加物の安全性確保」
Microsoft PowerPoint – 資料2棚元先生070122神戸.ppt (mhlw.go.jp)
生肉や生魚などを除けば、全ての食品に何かが「添加」されています。なぜなら、何も添加せずに加工食品を作ることは不可能だからです。
たとえば豆腐は「凝固剤」を入れないと固まりませんし、卵だって、産み落とす鶏のエサに添加物が含まれていることもあります。黄色の着色料を入れれば、すぐに黄色が濃い黄身の鶏卵ができるのです。
食品添加物は食品表示ラベルの「原材料欄」に必ず記載されています。必ず見る習慣をつけることをおすすめします!
本当意味での「無添加」は不可能
消費者の多くは「食品添加物は危険」とテレビや雑誌、インターネットなどで頭にすりこまれています。
でも、わたしたちの「食べ物」は、同じように、細菌やカビなどにとっても「食べ物」ですよね。
だから、食中毒を防ぐためには、食品添加物が必要不可欠。本来の意味で「無添加食品」のみの世界が実現しても、食中毒が多発し、大変な事態になってしまいます。
- カビが生える
- 腐る
- 味が変わる
文字通りの「無添加」は不可能です。具体例としては、食塩や水道水も使えなくなります。
…食品をつくるための機械や、食品の入れ物などの洗浄、食品をつくる人の手の消毒(次亜塩素酸ナトリウム)、あげればキリがありません。
本来の無添加は「自給自足」でしかありえない。
食品添加物のメリット・デメリット
なぜ、食品業界はほぼ全ての商品に添加物を使うのか。様々な理由がありますが、大きく分けて4つあります。
- 保存期間を長くできる
- 食品そのものが腐るのを防ぐ
- 虫などに食われない(防腐剤など)
- 食中毒の防止
- 「食中毒」の原因になる菌を減少させる
- 味や見た目を良くする
- 調味料、着色料、酸化防止剤などの添加物を使うと、食べ物の味や見た目・色などが向上。
- 品質と価格の安定
- 添加物を使用することで値段が安くなる。
- 品質をいつでも一定にできる
私たちの便利な生活に「食品添加物」は欠かせないものですが、もちろんデメリットも存在します。
- 身体に悪影響を与える可能性は0ではない
- 厚生労働省が認めているのは「1つずつ」の安全性。同時に複数の添加物を摂取(複合摂取)した場合の安全性は確認されていない。
- 食品添加物の中には、蓄積すると体内で異物となり、毒性が強くアレルギー障害をもたらす疑いのあるものも使用されている。
- 塩分・糖分の摂りすぎになる
- 特にインスタントラーメンやスナック菓子などは「うま味」や「濃厚さ」を出すため、塩分で味を調整している
- 成分表示では「砂糖」=原材料、「甘味料」=食品添加物として表示され、両者は分けられている。仮に「砂糖不使用」と表示があっても、食品添加物の「甘味料」は入っていることが多い
- 味覚障害になる可能性がある
- 食品添加物のとりすぎによって、「亜鉛」を体内から出してしまうことがある→味覚を感じる「舌」の細胞を作れない。→甘味や酸味、苦味を感じにくくなる
食品添加物の種類
食品添加物は大きく分類すると、4種類に分けられます。
- 指定添加物…ほとんどが石油製品でつくられた添加物。身体の中で処理できないものが多い
- 474品目(2022年10月26時点)
- 既存添加物…自然界にあるものでつくられた添加物。中には危険度の高いものも存在する
- 果物の果汁や卵白など
- 357品目(2020年2月26日時点)
- 一般飲食添加物…もともと食品に含まれている成分。
- いちごジュース、寒天など
- 約100品目
- 天然香料…自然に自生している植物や酵母から抽出した香料。種類を記載する必要がないため、実際に何が入っているか分からないこともある。
- トマトやパプリカ・ベニバナなど
- 約600品目
参照:厚生労働省「食品添加物」
食品添加物 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
食品添加物は第二次世界大戦後から大量に使われ始めました。しかし、食品添加物の安全性は動物実験で調べられただけ。つまり、人間が食べて安全かどうかは不明なのです。
それでも「食品添加物」を使用することに大きなメリットがあり、今もなお使われ続けています。
「食品添加物」を使用する主な理由
- 食品をつくる・加工する
- ニオイ、色彩、味を改善できる
- 風味を付ける・栄養分を加える
- 食品を長く保存できるようにする
- 食品を長持ちさせ、食中毒の危険を減らす
- 食品の加工時間を短くする
参照:厚生労働省「食品添加物」
厚生労働省「食品添加物」について
食品添加物の役割と食品衛生法
食品添加物は、食品にごく少量加えるだけで色々な効果を生む物質。そんな便利な食品添加物は「食品衛生法」によってルールが決められています。
食品衛生法〈1947年制定〉(第4条2項)で食品添加物は、「食品の製造の加工において、又は、食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するもの」と定義しています
食品の為に使うものが食品添加物です!
【キャリーオーバー】無添加食品の真実
無添加という表記にルールはなく、すべてメーカーのさじ加減で決まっています。
さらには「キャリーオーバー」というしくみもあるのでやっかいです。
キャリーオーバー
「食品」の原材料に使われた食品添加物は、完成した「食品」に効果を発揮しないと判断できる量ならば食品表示ラベルに記載しなくてよい
例えば、「パン」の味付けに、「酸化防止剤入りのマーガリン」を使っていたとしても、パン全体で考えると微量です。だから「パン」という食品には「酸化防止剤」の効果はないので、表示しなくてもよくなります。
「〇〇無添加」という表記の裏にある実態を知ったうえで、私たちは食べものを選んでいかなければなりません。
食品添加物が入っていることに焦るより、一週間、一ヶ月単位で「自分が何を食べているか」を知ることの方が大事ですよ!
※食品のパッケージ裏には必ず「食品添加物」が記載されます。
【食品添加物は「悪」ではない】食品表示ラベルを見るクセをつけよう
国は、食品衛生法によって食品添加物の安全性を保証しています。でもそれは「直ぐ、命に関わるかものではないという意味での安全性です。
●「食品添加物が身体に蓄積された場合はどうなのか?」
●「複数の添加物をかけ合わせた場合はどうか?」
上記2点の添加物の危険性は未知数です。それでも食品添加物が使用され続けているのは、たくさんのメリットがあるからです。
「添加物=悪」というイメージがついていますが、添加物がないと私たちの食生活は豊かになりません。日本各地や海外から、さまざまな種類の食品が流通し、私たちの手元に届くには「食品添加物」が必要なのです。
前述したように食品添加物を使うことで得られるメリットは様々です。
- 食中毒になったりや腐ったりするのを防ぐ
- 長期の保存ができることで、フードロスの削減、災害時の備えになる
- 栄養素を追加する。味や香り、見た目を良くする
- コストを抑えて大量生産できるため、価格が安くなる
食品生産の現場では食品添加物はなくてはならないもので、今も使われ続けています。摂り過ぎればもちろん毒になるかもしれません。でも、「適量」であれば、身体は自力で「食品添加物」を適切に処理できます。適量ならば、健康に害はないのです。
わたしたちが加工食品を選ぶときは、せめてなるべく食品添加物の記載が少ないものを選ぶことを意識したいですね。
「食品添加物をなるべく避けよう」という意識が大切!
日本では知らない間に「食品添加物」を摂取していることも多い社会。「何が」添加しているのか、分からないまま食事をしているという自覚を持ちたいですね。
【習慣付けが大事】購入時は食品表示ラベルを必ずみる
食品ラベルの表示方法にはルールがあります。例えば菓子パンのラベルには以下のように表示されています。
- 添加物は「/」の後に使用量の多い順に記載されている
- 「用途名(添加物名)」のように毒性の強いものは、()での併記が義務づけられている。
- まとめて一括で表記できる添加物も存在する
- ph調整剤、香料、膨張剤など
現在、多くの食品に食品添加物が使われています。レストランなど外食にも当然使われています。
食品添加物を全く摂らないのはほぼ不可能。でも、だからこそせめて商品表示ラベルをみよう。
最初は食品表示ラベルを見ても何も分かりません。でも「食品表示ラベルを確認するクセ」をつけるのことの方が大事!
「何が入っているか」よりも大事なのは…
「どれだけたくさんの食品添加物が入っているのかを知る」こと!
「見慣れない成分が、たくさん入っている」ことを知ろう。
「食品添加物が多いか・少ないか」まずは食品添加物があふれている世界を知ることから始めよう。
食品添加物の「塊(かたまり)」ファーストフード
ファーストフードが、身体に良いと思っている人はいません。わたしたちは身体に悪いことを知ってはいるけど「手軽さ」を求めて食べています。
ファーストフードとは
精製された糖質、トランス脂肪酸、コレステロール添加物などが含まれ早くて安く、大量生産できるファーストフード。
ファーストフードは身体に悪い
この当たり前の事実は、研究でも証明されています。
ファーストフードとは〈4つの特徴〉
- 飲食店の食品
- 加工された食品が提供される
- レトルト食品(レンジでチンするだけ)
- 持ち帰り可能
- 調理の際、同じ油が繰り返し使われている
※「ファーストフード」は、外食も含まれます
●柔らかく、加工度が高い
→噛まなくても食べられる
→添加物などを消化しにくい
●悪い油は酸化しやすい
→活性酵素(身体の免疫機能を維持する物質)が過剰に発生
→疲れやすくなり老化する
●味が濃い
→塩分や糖分の過剰摂取
●精製されているから栄養価が低い
→食べ過ぎなのに「栄養失調」になる
●甘いドリンクセット
→HFCS(果糖ブドウ糖液糖)が使用されている
…近年、アレルギーなど様々な病気の原因と問題視されている
HFCS/ハイフロクトースコーンシロップ
(▼クリックすると下に表示されます)
HFCSはブドウ糖の一部を、人工的に加工したものです。果物から作られたのではありません。多くの健康上の問題の原因になっていると問題になっています。
「食品に何が入っているか」を、いちいち気にしていては、心が疲れてしまいます。だから、自分のできる範囲で「ほどほどに」添加物を気にしましょう。
食品添加物を気にして生活をするなら、自分の許容範囲を決めておこう!
人間関係で例えるならば、食品添加物とは「友達」ではなく、「知人」でいよう。ほど良い距離感で付き合いたいものですね。